未払残業代の請求方法とその流れ、必要な証拠、実際の体験談について

未払残業代【2020年4月7日更新】

まず始めに、ブラック企業は絶対に許しません。

今回の記事は、実際に未払残業代を請求したいと考えている人に向けて、実際の体験談を交えて、請求の種類や必要な証拠、請求の流れをお伝えしていきます。

私の経験上、ブラック会社で働いている人は、未払残業代があることを薄々気付いていながらも、会社が恐い、職を失う、請求しても勝てっこない等の理由からしていない人が多いです。

泣き寝入りしないためにも、この記事の体験談などを参考にしてください。

【本記事の特徴】

○正確な残業代の計算方法がわかる。

○未払残業代を請求したリアルな体験談を紹介。

○有効な証拠の集め方がわかる。

○残業代請求方法の種類がわかる。

○未払残業代を実際に請求する具体的な流れがわかる。

○示談にならず訴訟に発展したときの一個人のリアルな心情を紹介。

ひとりで悩まなくていいよ!未払残業代請求を初めてやろうとしたときの気持ち、とっても分かるよ!相談相手がいなかったらブログにコメントしてもいいからね!

未払残業代の有無を確認する

まず始めに、実際に未払残業代が存在するかを確認しなければなりません。

多くの人は会社に言いくるめられて、未払残業代がないと思っています。しかし、実際は多くの人に未払残業代が存在しています。

正確な残業代計算方法を知る

未払残業代を計算する上で、正確な残業代の計算方法を知らなくてはいけません。計算方法に自信がない人でもこの記事に書いてあるとおりに計算を行ってみてください。

さっそく計算式に入りたいところだけどその前に、計算に必要な知識を伝えていくね!

そもそも残業代とは

ご存じの人も多いと思いますが、念のためおさらいしておきましょう。

残業とは簡単にいうと、

労働基準法で定められた『週40時間、又は1日8時間』の法定内労働を超えて働くことで、この『週40時間』と『1日8時間』のどちらか一方を超えた時間のことを残業といいます。

たとえば、

【例①】勤務時間が9時~19時の場合
9時から19時の場合は実働が9時間(休憩1時間)になり、1日の法定内労働の8時間を超えた分の1時間が残業になります。

【例②】1日8時間を週6日繰り返した場合
月曜日から金曜日までの1日実働8時間で40時間に達します。土曜日も1日8時間働いた場合はその8時間分まるまるが残業になります。

□Point
週6日の1日8時間で働いている場合、それだけで未払残業代が発生している可能性があります。こういったシフトになっている多くの企業では、未払残業代を発生させないためにみなし残業制がとられています。

使用者は、従業員に対して、法定労働時間を超えた時間外労働に対しては、割増率25%以上の割増賃金を支払わなければなりません。

大まかな残業代の計算方法は

①月給÷1日の所定労働時間(定時)×1ヶ月の勤務日数=時給
②時給×1.25(割増率)×残業時間=残業代

となります。

上の計算方法は大まかな残業代計算方法だからね!

□Point
1時間あたりの賃金額及び残業代に、1円未満の端数が生じた場合、50銭未満を切り捨て、50銭以上を切り上げして計算します。

法定内残業と法定外残業の違いについて

残業代を計算するうえで知っておきたい知識として、法定内残業法定外残業というものがあります。

法定内残業とは、所定労働時間を超えて法定労働時間内に行った残業
法定外残業とは、法定労働時間を超えて行った残業

たとえば、9時~17時で休憩1時間の契約の場合は、実働が7時間になります。仮に18時まで残った場合は、実働が8時間になり、契約が実働7時間なので、1時間の残業が発生するように思えますが、割増しのつく残業には該当しません。この場合を法定内残業といいます。

これに対して法定外残業とは、実働8時間を超えた純粋な時間分のことをいいます。

法定内残業であっても、企業によっては就業規則や雇用契約書の内容によって残業代が発生する場合もあるんだ。就業規則や雇用契約書は隅々までチェックしよう!

正確な残業代の計算方法

次に大まかな残業代の計算方法ではなく、正確な残業代計算方法についてお伝えしていきます。

残業代には、月給に含まれる諸手当を除外して計算したり、残業の種類ごとに異なる割増率を乗じて計算していく必要があります。

以下の枠内にあるものは、割増賃金の計算の基礎から除外される諸手当です。

□割増賃金の計算の基礎から除外される諸手当

①家族手当(不要手当、子女教育手当)
②通勤手当
③別居手当(単身赴任手当)
④子女教育手当
⑤住宅手当
⑥臨時に支払われる賃金
⑦1ヶ月を超える期間毎に支払われる賃金(賞与、精勤手当など)

そして、以下の表が残業の種類による割増率の違いです。

残業の種類割増率
時間外労働(週40時間、又は1日8時間を超える労働)25%増
時間外労働(1ケ月60時間を越える労働)※大企業のみ50%増
深夜労働(午後10時から午前5時までの労働)25%増
時間外労働(週40時間、1日8時間を超える労働)+深夜労働50%増
時間外労働(1ケ月60時間を越える労働)+深夜労働 ※大企業のみ75%増
休日労働 法定休日(週1回、または4週4日の休日)の労働35%増
休日労働+深夜労働60%増

大企業のみのところはそのうち中小企業にも適用されるよ!今のところは大企業のみ(2020年4月現在)。

残業代がでない場合もある?要チェック

以下の項目に該当するかチェックをしてください。

みなし残業制を取り入れている会社である
管理監督者(管理職)として勤めている

当てはまるものがありましたら、下の章を参考にしてください。

みなし残業制について

みなし残業制とは、賃金や手当の中にあらかじめ一定時間分の残業代を含ませておく制度のことをいいます。

一定の残業代を固定して支払う固定残業制ともいわれます。

たとえば、『月10時間の残業を含む』などと雇用契約書に記載されている場合は、実際に月に10時間の残業をしなくても10時間分の残業代は固定して支給されます。

この例の場合でいうと10時間以上の残業をしたときにその10時間を超えた分は残業代として支給されます。

中には固定残業代を多くして、過労死の80時間を優に超える賃金体系にしているブラック会社もあるんだ。

□Point

ブラック会社のよく使う手法としては、『残業代はみなし残業に含まれているからいくら残業してもでないよ!』というフレーズです。
【結論】残業時間が一定時間を超えたら出ます。そして、このような上司は無視しましょう。

管理監督者(管理職)に該当している

残業代が請求できるのは、労働時間が管理されている場合のみです。

管理監督者(管理職)とは『経営者と一体的立場にある労働者』をいい、残業代や休日出勤手当などを支払わなくていいことになっています。

ただし、ここでいう管理監督者(管理職)とは、経営者と一体的立場のため、その人自身は基本自由出勤ができる立場の人です。日本の多くは名ばかり管理職に該当する管理職で多数を占めています。

□Point
名ばかり管理職の残業代はものすごい額になることが多いです。なので、企業側も示談にしようとしてくることが多いです。

まとめ:未払残業代の有無と(時効について)

自分の給料明細と、自分が計算した残業代を見比べて違いがでた場合、未払残業代が発生している可能性が高いです。

現時点(2020年4月現在)では、時効は2年です。
したがって、今から過去2年分を遡ってまとめて請求できます。

2020年4月に法改正があり、2020年4月以降に発生した賃金の未払残業代の時効は当面3年間に延長されました。その3年間が終わると5年間に延長されます。

注意点としては、2020年4月以降に発生した賃金の未払残業代ということです。

労働問題弁護士ナビ参照

□Point

時効を一時中断させる場合は、早い段階で一度自分で未払残業代がある旨の書類を作り、会社に対して申し出ましょう。法律用語で『催告』といいます。時効を6ヶ月間中断させる効果があります

無料法律相談で未払残業代請求ができるかどうかを確認する

今お手持ちの雇用契約書と給料明細書をもって、区役所やハローワークなどで行っている無料法律相談に行きましょう。弁護士事務所でも無料相談を受け付けているところも多くありますので、相談してみましょう。

経験談:無料法律相談をしてきた結果

結論から述べると行って良かったです。

これから未払残業代を会社に請求しようと考えている場合は、まずは無料法律相談をしてみるべきです。それも複数箇所を回るべきです。

なぜなら、

弁護士の専門的な意見が聞ける(複数の弁護士の意見を聞くことによって客観的な判断を自分でつけられます)。

弁護士を通した際の費用が具体的にわかる(弁護士事務所によって頭金の有無、成功報酬の率、着手金などが大きく違います)。

実際に未払残業代を請求するかどうかの踏ん切りがつく(弁護士の意見が後押しします)。

違法性のある残業代未払いの例

・労働時間が1日8時間を超えているのに残業代がでない(サービス残業の発生)。

・1週間で40時間以上働いているのに残業代がでない(サービス残業の発生)。

・雇用契約書と給料明細の内訳が違う(雇用契約書にみなし残業と記載はないのに給料明細にはみなし残業の欄に数字が入っているなど)。

・みなし残業時間以上働いているのに残業代がでない(サービス残業の発生)。

・タイムカードを実際よりも早く切らされている(サービス残業の発生)。

上の枠内に該当するものがあれば、未払残業代が発生している可能性が非常に高いです。

『違法性のある事項が積み重なってる会社』は、未払残業代の回収がしやすいです。

未払残業代の証拠を固めて精査する

次に行うことは、未払残業代の証拠を固めて精査することです。

以下のものは証拠として有効になる可能性が高いので、該当するものは証拠として残しておきましょう。

①労働契約の証拠
・雇用契約書など
②残業していた事実を証明する証拠
・職場のパソコンから自分の携帯電話へメール
・タイムカードのコピー、又は写真
・業務日報のコピー
・時間外に職場などで仕事をしていたと証明できる映像や録音(時刻が映っているもの)
・LINEなどでの日常的な家族への連絡『今から帰るね』
・職場のパソコンのスクリーンショット(時刻が映っているもの)
・職場のぱそこんのログイン、ログアウト情報
③残業内容の証拠
・上司からの残業命令(メールやメモ、期日つきの書類など)
・メール
・録音
④支給額の証拠
・給料明細
・源泉徴収票
⑤就業規則
⑥シフト
・実際の勤務日がわかるもの

僕のいたブラック会社は基本的に就業規則が置いてある体のところが多く、実際には自分で請求しないと見られないことが多いんだ。

上記のものの中でできるだけ多くの証拠を残しておきましょう。

証拠が手もとにない場合

すでに退職をしてしまっている場合など、上記のような証拠を用意できない場合があります。

しかし、まだ諦めるには早いです。手もとに証拠がない場合の対処方法は以下の通り。

○SuicaやPASMOなどのIC カードの履歴
交通機関に問い合わせることで、履歴を確認できます。通勤の証拠として利用できる可能性があります。

○会社のアカウントから送信したメール
会社のアカウントから送信したメールの履歴が、自分の携帯電話などに残っている場合は証拠となります。

○弁護士を利用する方法
弁護士は開示請求権を持っています。弁護士から労働時間に係わる資料の開示を求められた企業は従わないといけません。

僕は、ブラック会社に泣き寝入りする人をどうしても救いたいんだ!そもそもブラック会社が大っ嫌いだ!

後ほど、残業代請求方法の種類について説明していきますが、手もとに証拠がない場合は弁護士を通しての請求が一番良いです。

未払残業代請求方法の種類と費用

未払残業代を請求する方法の種類とその大まかな費用について説明してきます。

請求方法内容費用
直接交渉自分で残業代をまとめて、会社に直接交渉します。基本的に相手にされません。無料
個別労働紛争解決制度(厚生労働省)行政が主体となって労働紛争の解決に至りますが、相手がブラック企業だと、あまり効果を成しません。無料
労働審判早く解決したい人におすすめです。自分ですることもできれば、弁護士を通してすることもできます。3ヶ月程度で終了します。有料
民事裁判解決に至るまで約1年かかります。労働審判と違い、白黒をはっきりさせることができます。自分ですることも弁護士を通してすることも可能です。有料
未払残業代の請求方法と費用

会社と直接交渉する方法

自分で残業代をまとめて、直接会社に交渉にいく請求方法です。

直属の上司を超えて、社長や専務などの管理職、部長などと話すことになりますが、基本的に相手にしてもらえません。

伝えるべきポイントは、

・未払残業代がこの書類の通りあること
・支払いに応じない場合は法的手段をとること

です。

これからのポイントを伝えておくことで、6ヶ月間の時効の中断ができます。

直接交渉する際は録音も忘れずに!
ちなみに僕の場合はまったく相手にされなかったよ!

個別労働紛争解決制度を利用して未払残業代を請求する

ご存じの通り、世の中のすべてが正しいこととは限りません。

どんなに相手がブラックで、自分が正しくても、個別労働紛争解決制度で納得のいく答えは実際のところでません。でることが稀です。

労働審判や民事裁判で何百万円の未払残業代の請求ができるところ、個別労働紛争解決制度を利用したがために知識不足で30万円程度で終わってしまったなどもよくある話です。むしろ30万円で決着できれば良い方です。

費用がかからないところは良い点ですが、それだけでこの方法を選ぶと損することもあるよ!この方法は労基によって会社の是正を求めたい人におすすめだよ!

労働審判

未払残業代の請求方法でよく使われる方法がこの労働審判です。

しかし、労働審判にも注意点があります。

労働審判のメリット・デメリットを説明していきます。

【未払残業代請求】労働審判のメリット

○裁判よりも短い期間で手続きを終えられる
○実情に沿った柔軟な結論が出やすい
○相手方を交渉の場に引き出せる
○個人でも申立て可能

労働審判とは、労働者と事業主との間で起きた労働問題を労働審判官1名と労働審判員2名が審理し、迅速且つ適正な解決を図ることを目的とする裁判手続きをいいます。

民間から選ばれる労働審判員も企業のOBや労働組合の経験者が多いので、より実情に合わせて双方の主張を汲み取ってくれます。

【未払残業代請求】労働審判のデメリット

○労働審判で解決せず訴訟に発展した場合は一からやり直し
○審理期間が短いので妥協すべき点が出てくる
○弁護士を通した際はその費用がかかる
○地方裁判所でしか行えない
○付加金がもらえない

特に付加金がつかない点は大きいです。

付加金とは、残業代等を支払わない悪質な会社に対する一種の制裁措置のことで、労働者が裁判手続きで割増賃金等を請求した場合、裁判所の判断でその会社に対しペナルティの意味合いでその請求額を上限に、請求額とは別に付される金額です。

たとえば、未払残業代が200万円認められたとした場合、付加金で更に上限200万円まで支払い命令が下る可能性があるということです。裁判を提起した人は合計400万円を手にします。

民事裁判

未払残業代の請求の最終手段がこの民事裁判です。

【未払残業代請求】民事裁判のメリット

○和解に持ち込みやすい
○付加金や遅延損害金がつく可能性がある
○白黒はっきりする

【未払残業代請求】民事裁判のデメリット

○裁判期間は約1年かかる
○弁護士を通した際はその費用がかかる
○状況によっては和解により不利な結論に至る可能性がある

『裁判はすこし大袈裟だなあ』と思っても、未払残業代がある場合は是非裁判を起こしてください。

ブラック会社は、一従業員が裁判なんて起こすわけがないと高を括っています。

弱者になりがちの労働者側の足下をみています。

本当のブラック会社は嫌がらせ裁判をしてくるよ!でも、諦めずに闘うんだ!

未払残業代を実際に請求する具体的な流れ(一例)

私が実際にした未払残業代請求の流れをお伝えします。

①残業代計算

②ブラック会社と直談判

③弁護士への無料相談(3カ所)

④信頼できる弁護士を見つける

⑤弁護士が案件を見て、労働審判か裁判かのどちらで進めるべきか判断してくれる

という流れでした。

丸々、弁護士にすべてを任すのではなく、あくまでも一緒に闘ってくれるパートナーとしてお付き合いをするべきです。

示談にならず訴訟に発展したときの一個人のリアルな心情

裁判になると、一般の人なら一生に一度あるかないかだと思います。

正直、毎日がものすごく不安です。それが1年間続きます。

裁判、どうなったんだろう。こんなことやっているのは自分だけかも。負けたら…どうしよう。などなど、不安になります。

でも、悪いことをしているわけではないですし、行動を起こさないと人生が変わらないと思っていました。

結果的に、裁判を起こして良かったと心から思っています。


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