休業手当とは?支給条件や支給金額、休業補償との違いなど徹底解説!

休業手当【2020年5月8日更新】

人事担当者であれば、休業手当を支払うべき具体的なケースや金額の算出方法はもちろん、法律についても知っておくべき事項です。

今回の記事は、休業手当についてまとめました。

【本記事の特徴】

○休業手当の詳細がわかる。

○休業手当を支払うべき具体的なケースや金額の算出方法などがわかる。

○休業手当の類似制度がわかる。

休業手当とは

休業手当とは、使用者(会社側・事業主側)の責任で労働者を休業させた場合に、該当の労働者に対して手当を支給する制度です。

休業手当の支給条件は?

【休業手当の目的】

休業手当は本来、労働者が使用者に故意に休業させられた場合に、労働者を守るために最低限の生活を行えるように保障することを目的に作られた制度です。

労働基準法第26条の休業手当の項目において、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。」という文言で明記されています。

ここでいう労働者とは、契約社員やパート、アルバイトも含まれているよ!

【使用者の責に帰すべき事由とは】

・経営不振、業績悪化で従業員を休ませる場合
・仕事がないから早退してと会社に言われた場合

などが該当します。

【新型コロナウイルス感染が疑われる労働者を休業させる場合】

「帰国者・接触者相談センター」に相談し、その結果を踏まえて、職務の継続が可能である労働者に対し、使用者の自主的判断で休業させる場合は、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。

新型コロナウイルスかどうかわからない時点で、発熱などがある労働者の自主休業については、通常の病欠と同様に扱われます。

一方、発熱などの症状があることのみをもって、一律に仕事を休ませる措置をとっている使用者は一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。

【不可抗力による休業の場合】

不可抗力による休業の場合は、使用者は休業手当の支払義務を負いません。

具体的に、

新型コロナウイルスで取引先が営業を中止した場合に、当該取引先への依存の程度のほか、代替手段などがない場合で、営業ができないときなどはこの不可抗力による休業に該当します。

もちろん、地震や災害なども該当します。

休業手当の支給金額の算出方法

労働基準法第26条

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。

ここでいう平均賃金は「算定すべき事由が発生した日以前の3ヶ月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で割った1日の金額」です。

その1日の金額の60%が最低保証金額/日になります。

【休業手当の金額の例】

1ヶ月の給料が30万円とした場合

30万円×3ヶ月=90万円
90万円÷90日(1ヶ月30日と仮定)=1万円
1万円×60%=6,000円/日

10日間休業させた場合の休業手当の総額はこの場合6万円となります。

休業手当の申請方法は?

個人での申請は必要ありません。

休業手当は法律で定められた労働者を守るためのもので、使用者に支払うことを義務づけている手当です。

使用者が支払わないということが仮にあった場合には、労働基準監督署へ相談しましょう。

休業手当の類似制度

休業にはさまざまな種類があります。

休業手当の類似制度を以下に簡単にまとめます。

産前・産後の休業

産前・産後の休業については労働基準法第65条、66条に規定があります。

使用者は

・6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産を予定する女性が休業を請求した場合

・産後8週間を経過しない女性

に対して、原則、就業させてはいけません

又、労働時間の規定や休日労働、時間外労働についても制限があります。

育児休業

育児休業は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)」で定められている休業制度です。

育児休業は国が定めている制度であるため、定められている期間について労働者は育児休業を取得する権利があります。

又、休業することによりその間の所得がなくなってしまうので、育児休業給付金という金銭的な支援も制度化されています。

介護休業

介護休業も「育児・介護休業法」で定められている休業制度です。

基本的な概要は育児休業と変わりません。

金銭的支援としては介護休業給付金があり、家族を介護するために介護休業を取得した際に支給されます。

負傷・疾病の休業

負傷や疾病にかかった場合の休業については労働基準法第75条、76条に規定があります。

業務上負傷または疾病にかかり療養が必要な労働者に対して、使用者が費用を負担する義務を負います。

又、療養で休業する場合には、使用者は平均賃金の60%の休業補償を負う義務があります。

休業補償、有給休暇との違い

『休業手当』と『休業補償』はまったくの別物です。

【休業補償とは】

休業補償とは、労働者が業務上負傷や疾病にかかり休業を余儀なくされた場合、休業中の所得を保障するための給付金の制度をいいます。

□Point

休業補償→労働者が業務上負傷や疾病にかかり休業になった場合

休業手当→使用者の責に帰すべき事由で休業になった場合

【有給休暇とは】

年次有給休暇(有給休暇)とは、労働基準法第39条に規定されています。

有給休暇を取得すれば、労働者は休暇を取っていても賃金が支払われます。

休業手当は『使用者の責に帰すべき事由で休業になった場合の手当』に対して、有給休暇は『一定の条件を満たせば付与される労働者の権利』です。

まとめ

急に明日から休みにされてしまったり、急に仕事がないから帰っていいよなどと言われてしまったりすると、労働者の生活は破綻します。

そこで、労働者を守るべく労働者にとって有利な法律がたくさんあります。

逆をいうと、企業の経営陣及び人事部はこれらを理解していないといけません。

お互いに良い関係を保つためにも、各種制度の詳細を理解しておきましょう。


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