生活福祉資金貸付制度とは?各種制度の解説と返済できないときの対処法まとめ

低所得者や母子家庭、高齢者世帯など、生活に困窮している世帯に対し、国からお金を借りることができる生活福祉資金貸付制度について徹底解説していきます。

【本記事の特徴】

○生活福祉資金貸付制度の各種制度を徹底解説!

○生活福祉資金貸付制度の借入金を滞納したときどうなるの?がわかる。

○生活福祉資金貸付制度の借入金の償還(返済)ができないときの対処方がわかる。

生活福祉資金貸付制度とは

生活福祉資金貸付制度とは、低所得者、障害者又は高齢者に対し、資金の貸付けと必要な援助指導を行うことにより、安定した生活を送れるようにすることを目的とした資金貸付制度です。

貸付対象

以下に該当する世帯が貸付対象です。

【低所得者】
必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯(市町村民税非課税相当)

【障害者世帯】
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者などの属する世帯

【高齢者世帯】
65歳以上の高齢者の属する世帯

貸付資金の種類

この章では生活福祉資金貸付制度の貸付資金の種類をまとめています。

□貸付資金の種類
総合支援資金(生活支援費、住宅入居費、一時生活再建費)

福祉資金(福祉費、緊急小口資金)

教育支援資金(教育支援費、就学支度費)

不動産担保型生活資金(不動産担保型生活資金、要保護世帯向け不動産担保型生活資金)

生活支援費(総合支援資金)とは

生活再建までの間に必要な生活費用を貸付してくれます。

【貸付限度額】
(2人以上の世帯)月20万円以内
(単身世帯)月15万円以内

【貸付期間】
原則3ヶ月です。最長12ヶ月にわたり借り入れすることができます。

【据置期間と償還期限】
据置期間:最終貸付日から6ヶ月以内
償還期限:据置期間経過後10年以内

【貸付利子】
(保証人あり)無利子
(保証人なし)年1.5%

【保証人有無】
原則、保証人が必要です。
ただし、保証人なしでも貸付可です。

住宅入居費(総合支援資金)とは

敷金、礼金等住宅の賃貸契約を結ぶために必要な費用を貸付してくれます。

【貸付限度額】
40万円以内です。

【貸付期間】
単発です。

【据置期間と償還期限】
据置期間:貸付けの日(生活支援費とあわせて貸付けを受ける場合は、生活支援費の最終貸付日)から6月以内
償還期限:据置期間経過後10年以内

【貸付利子】
(保証人あり)無利子
(保証人なし)年1.5%

【保証人有無】
原則、保証人が必要です。
ただし、保証人なしでも貸付可です。

一時生活再建費(総合支援資金)とは

生活を再建するために一時的に必要かつ日常生活費で賄うことが困難である費用を貸付してくれます。

具体的に、
・就職、転職を前提とした技能習得に要する経費
・滞納している公共料金等の立て替え費用
・債務整理をするために必要な経費
などが該当します。

【貸付限度額】
60万円以内です。

【貸付期間】
単発です。

【据置期間と償還期限】
据置期間:貸付けの日(生活支援費とあわせて貸付けを受ける場合は、生活支援費の最終貸付日)から6月以内
償還期限:据置期間経過後10年以内

【貸付利子】
(保証人あり)無利子
(保証人なし)年1.5%

【保証人有無】
原則、保証人が必要です。
ただし、保証人なしでも貸付可です。

福祉費(福祉資金)とは

以下に該当する経費について貸付してくれます。又、各経費ごとに貸付上限額の目安や据置期間、償還期間が異なるため、表にまとめます。

資金の目的貸付上限額の目安据置期間償還期間
生業を営むために必要な経費460万円6月20年
技能習得に必要な経費及びその期間中の生計を維持するために必要な経費技能を修得する期間が
6月程度 130万円
1年程度 220万円
2年程度 400万円
3年以内 580万円
同上8年
住宅の増改築、補修等及び公営住宅の譲り受けに必要な経費250万円同上7年
福祉用具等の購入に必要な経費170万円同上8年
障害者用自動車の購入に必要な経費250万円同上8年
中国残留邦人等にかかる国民年金保険料の追納に必要な経費513.6万円同上10年
負傷又は疾病の療養に必要な経費及びその療養期間中の生計を維持するために必要な経費療養期間が
1年を超えないときは170万円
1年を超え1年6月以内であって、世帯の自立に必要なときは230万円
同上
5年
介護サービス、障害者サービス等を受けるのに必要な経費及びその期間中の生計を維持するために必要な経費介護サービスを受ける期間が
1年を超えないのときは170万円
1年を超え1年6月以内であって、世帯の自立に必要なときは230万円
同上
5年
災害を受けたことにより臨時に必要となる経費150万円同上7年
冠婚葬祭に必要な経費50万円同上3年
住居の移転等、給排水設備等の設置に必要な経費50万円同上3年
就職、技能習得等の支度に必要な経費50万円同上3年
その他日常生活上一時的に必要な経費50万円同上3年
厚生労働省公式ホームページより引用

※ 表中の貸付条件は目安であり、個別の状況により福祉費の範囲内(上限額580万円以内、据置期間6月以内、償還期間20年以内)で貸付可能。

【貸付利子】
(保証人あり)無利子
(保証人なし)年1.5%

【保証人有無】
原則、保証人が必要です。
ただし、保証人なしでも貸付可です。

緊急小口資金(福祉資金)とは

緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に必要となる少額の費用を貸付してくれます。

【貸付限度額】
10万円以内です。

【貸付期間】
単発です。

【据置期間と償還期限】
据置期間:貸付けの日から2ヶ月以内
償還期限:据置期間経過後12ヶ月以内

【貸付利子】
無利子です。

【保証人有無】
不要です。

教育支援費(教育支援資金)とは

低所得世帯に属する者が高等学校、大学または高等専門学校に修学するために必要な経費を貸付してくれます。

【貸付限度額】
高校:月3.5万円以内
高専:月6万円以内
短大:月6万円以内
大学:月6.5万円以内
※特に必要と認められる場合は、上記各上限額の1.5倍まで貸付してくれます。

【貸付期間】
在学中です。

【据置期間と償還期限】
据置期間:卒業後6ヶ月以内
償還期限:据置期間経過後20年以内

【貸付利子】
無利子です。

【保証人有無】
不要です。
※世帯内で連帯借受人が必要です。

就学支度費(教育支援資金)とは

低所得世帯に属する者が高等学校、大学または高等専門学校への入学に際し必要な経費について貸付してくれます。

【貸付限度額】
50万円以内です。

【貸付期間】
単発です。

【据置期間と償還期限】
据置期間:卒業後6ヶ月以内
償還期限:据置期間経過後20年以内

【貸付利子】
無利子です。

【保証人有無】
不要です。
※世帯内で連帯借受人が必要です。

不動産担保型生活資金とは

低所得者の高齢者世帯に対し、一定の居住不動産を担保として生活資金を貸し付ける資金です。

【貸付限度額】
・土地の評価額音70%程度
・月30万円以内

【貸付期間】
借受人の死亡時までの期間
又は、
貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間

【据置期間と償還期限】
据置期間:契約終了後3ヶ月以内
償還期限:据置期間終了時

【貸付利子】
年3%又は、プライムレートのいずれか低い利率が適用されます。

【保証人有無】
必要です。
※推定相続人の中から選任されます。

要保護世帯向け不動産担保型生活資金

要保護の高齢者世帯に対し、一定の居住不動産を担保として生活資金を貸し付ける資金です。

【貸付限度額】
・土地の評価額音70%程度(集合住宅の場合は50%)
・生活扶助額の1.5倍以内

【貸付期間】
借受人の死亡時までの期間
又は、
貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間

【据置期間と償還期限】
据置期間:契約終了後3ヶ月以内
償還期限:据置期間終了時

【貸付利子】
年3%又は、プライムレートのいずれか低い利率が適用されます。

【保証人有無】
不要です。

貸付金利子

【連帯保証人を立てた場合】 → 無利子
【連帯保証人を立てない場合】 → 年1.5%

※1 教育支援資金、緊急小口資金は無利子です。
※2 不動産担保型生活資金は年3%又は長期プライムレートのいずれか低い利率です。

貸付手続きの流れ

生活福祉資金貸付制度の制度概要より引用

【総合支援資金、緊急小口資金、不動産担保型生活資金の場合】

①本人が市町村社会福祉協議会に生活福祉資金貸付制度の申込みをします。

②市町村社会福祉協議会から相談支援を受けます。
具体的には、民生委員が来ますので事情を説明します。

③民生委員が調査書を作成し、市町村社会福祉協議会に送付します。

④市町村社会福祉協議会が都道府県社会福祉協議会に書類を送付します。

⑤都道府県社会福祉協議会から本人宛に貸付決定通知が送付されます。

⑥本人が都道府県社会福祉協議会に対し借用書等を提出します。。

⑦都道府県社会福祉協議会から入金されます。

【福祉費、教育支援資金の場合】

①本人が民生委員に生活福祉資金貸付制度の申込みをします。

②民生委員から相談支援を受けます。

③民生委員が調査書を作成し、市町村社会福祉協議会に送付します。

④市町村社会福祉協議会が都道府県社会福祉協議会に書類を送付します。

⑤都道府県社会福祉協議会から本人宛に貸付決定通知が送付されます。

⑥本人が都道府県社会福祉協議会に対し借用書等を提出します。。

⑦都道府県社会福祉協議会から入金されます。

生活福祉資金貸付制度の審査基準について

webサイトで生活福祉資金貸付制度の審査基準を検索していると、『審査基準が厳しい』という情報が多く散見しています。

僕は生活支援費で月20万円を1年間借り続けたんだ!その経験からお伝えします。

【結論】審査基準は甘い!

が率直な感想です。

私が生活支援費を借り入れたときは今から約10年前の2010年。当時は間違いなく審査基準は甘かったです。

それは、生活福祉資金貸付制度が出始めたころということもあったと思います。

生活福祉資金貸付制度は年々審査が厳しくなってきています。したがって、2020年5月現在ではたしかに審査基準が以前よりも厳しくなっていますが、それでも銀行融資などと比べると審査基準は甘いです。

そもそも、生活福祉資金貸付制度と民間業者の融資の目的が違います。

【生活福祉資金貸付制度の貸付の目的】
低所得者、障害者又は高齢者に対し、資金の貸付けと必要な援助指導を行うことにより、安定した生活を送れるようにすることを目的とした資金貸付制度です。

【民間業者の融資の目的】
一言で、会社利益のためです。

民間業者の融資の場合は、そもそも返済能力のないリスクのある人に貸付はしません。

逆に、生活保護か生活保護の一歩手前の人に対して貸付をするものが生活福祉資金貸付制度です。

個人金融情報でブラックリストに載っていたとしても借りられるよ!そもそもJICCやCICなどの信用情報機関に照合されないよ!

償還(返済)ができない!滞納したときどうなるの?

【滞納したとき】
最終償還期限までに償還金を支払わなかったときは、翌日から延滞元金につき年10.75%の率で延滞利子がつきます。

契約時にはムリのない返済計画を立てていたのにもかかわらず、契約時と返済時では仕事を辞めたなどが理由で状況が変わっている場合があります。

その場合は、社会福祉協議会に行き、相談をしなければなりません。

相談をすると適宜、社会福祉協議会が対応してくれます。しかし、基本的にはあまり期待しない方が良いです。

なぜなら、

・地域ごとに対応が異なること
・担当によっては的を得てない答えになること

が理由で、「で、結局どうすれば?」となるからです。

督促は?差し押さえは?実際のところを徹底解説!

【結論】督促は続くが、差し押さえはない。

サラ金などからの督促と比べると弱いということが率直な感想です。

しかし、借入金をしている事実は変わりありません。

相手が強行な姿勢に出てこなくても法律上は債務者なので、社会福祉協議会がやろうと思えば簡単に裁判上の差押請求ができてしまいます。

注意点として、悪質な債務者は裁判上の差押請求をされるということです。

生活福祉資金貸付制度に時効はあるの?

【結論】時効は実際に支払った最終返済日の翌日から10年です。

注意点としては、時効の中断時効の援用があることです。

時効の中断とは、
・借り入れした後に裁判を起こされる
・滞納した後に1円でも支払う
・滞納した後に支払いについての話をする
・滞納した後に和解書などを取り交わす
などです。
この場合、時効が10年伸びます。

時効の援用とは、
時効が成立している場合に、時効が成立している旨を相手方に伝えることをいいます。

これをしなければ、たとえ時効が成立していても時効成立しません。

生活福祉資金貸付制度の返済免除条件とは

状況が変わり、返済が厳しくなっている場合は、返済免除条件に該当するか確認しましょう。

生活福祉資金貸付制度の返済免除条件とは以下のとおりです。

第1 償還免除の適格要件

1 貸付金の償還免除は,次の各号の一に該当する場合に行うことができる。

(1) 借受人が死亡した場合であつて,相続人及び連帯保証人から当該償還未済額を償還させることが困難であると認められるとき。ただし,連帯借受人がいる場合はこの限りでない。

(2) 連帯借受人が死亡した場合であつて,借受人,相続人又は連帯保証人から当該償還未済額を償還させることが困難であると認められるとき。

(3) 借受人が償還期限到来後2年以上所在不明となつている場合であつて,相続人及び連帯保証人から当該償還未済額を償還させることが困難であると認められるとき。ただし,連帯借受人がいる場合はこの限りでない。

(4) 連帯借受人が償還期限到来後2年以上所在不明となつている場合であつて,借受人,相続人又は連帯保証人から当該償還未済額を償還させることが困難であると認められるとき。

(5) 償還期限到来後2年経過してもなお借受人,連帯借受人及び連帯保証人から当該償還未済額を償還させることが著しく困難であると認められるとき。

(6) 当該償還未済額について時効が完成しているとき。

2 前項(1)~(5)号に該当する場合であつても,当該借受人世帯がその独立自活に真しな努力をしていると認められないときは,この限りでない。

3 前記1の各号に該当しないが,将来にわたつて償還困難と認められるものについては,都道府県知事の承認を経たうえ貸付金の償還免除について決定を行うことができる。

引用元:https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb4117&dataType=1&pageNo=1

上記項目に該当する場合は、社会福祉協議会に問合せしてください。

免除ではなく、一時猶予などもあるで注意してください。

生活福祉資金貸付制度パンフのリンクも貼っておきます。参考にしてください。

まとめ

生活福祉資金貸付制度の各種制度を徹底解説しました。

借入金を滞納した場合や、償還(返済)ができない場合なども一緒にまとめています。

制度としては良いものが多いので、該当するものがあるか確認してみてください。


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