就職促進給付(就職促進手当)を賢く利用しよう!

就職促進給付(就職促進手当)とは、失業保険の基本手当の受給中に就職が決まった場合、一定の条件を満たしている人に限り支給される手当のことです。

就業促進給付は支給残日数や安定した職業に就いているかどうか等により、「再就職手当」「就業手当」「常用就職支度手当」にわかれています。就業促進給付の支給申請には期限があるので注意が必要です。

ハローワーク利用案内所より引用
【本記事の特徴】

○就職促進給付(就職促進手当)について詳しくわかる。

○再就職職手当について詳しくわかる。

○就業促進定着手当について詳しくわかる。

○就業手当について詳しくわかる。

○常用就職支度手当について詳しくわかる。

就職促進給付(就職促進手当)の内訳

再就職手当失業手当の受給者が、正社員で働くともらえる手当のこと
就業促進定着手当再就職手当の受給者が、引き続き再就職先に6か月以上雇用され、かつ以前の職場での1日分の賃金より低い場合にもらえる手当のこと
就業手当失業手当の受給者がパートやアルバイトで働くともらえる手当のこと
常用就職支度手当45歳以上の方や身体障害者などが、1年以上の雇用契約でもらえる手当のこと

再就職手当とは

再就職手当とは、基本手当(いわゆる失業手当)の受給資格がある方が、正社員などで安定した仕事に就職できた場合(自ら事業を開始した場合なども含む)に支給される手当です。

再就職した時点で、基本手当(失業手当)の支給残日数が所定給付日数(支給予定分)の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給されます。

再就職手当の支給額は?

再就職手当の支給額は、下記で計算されます。

□再就職手当の計算方法

◆基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の2以上ある方
  所定給付日数の支給残日数×70%×基本手当日額

◆基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上ある方
  所定給付日数の支給残日数×60%×基本手当日額

再就職手当は、支給残日数の支給額が全額もらえるわけではないので、一見損をしているように見えます。

考え方にもよりますが、再就職手当というまとまった金額を受給して、且つ、就業先から給料をもらうという考え方をすると、損をしているとは言い切れません。

再就職手当の良い点は自らが事業を起こしたときも支給されるという点です。

失業保険を受給したならば、再就職手当については常に頭の片隅に入れておきましょう。

再就職手当の支給条件は?

受給するには、下記の8つの条件を満たしていることが必要となります。

□再就職手当の支給条件
①失業保険受給の手続き後、7日間の待期期間を満了後に、就職または自営業を開始したこと。

②失業手当(基本手当)の支給残日数が3分の1以上残っていること(就職日の前日まで)。

③就職した会社が、退職した会社とは関係ないこと(離職した会社と資本金・資金・人事・取引面で密接な関わりがないこと)。

④自己都合退職により3ヶ月の給付制限がある場合、1ヶ月目はハローワークもしくは人材紹介会社の紹介で就職を決めること

⑤再就職先は、1年を超えて勤務することが見込めること。

⑥雇用保険の被保険者となっていること。

⑦過去3年以内に再就職手当、または常用就職支度手当の支給を受けていないこと。

⑧受給資格決定の前から、採用が内定していた会社ではないこと。

再就職手当の支給手続きとは?

Step1 再就職が決まったら

再就職日が決まったら、できるだけ早く管轄のハローワークに電話などで連絡しましょう。

Step2 各種書類の提出

再就職日の翌日から起算して1ヶ月以内に、再就職手当支給申請書に受給資格者証を添付して、管轄のハローワークに提出しましょう。

Step3 再就職手当の支給

支給が決定されるのは、支給申請書を提出してから約1カ月後です。支給が決定されれば、就業促進手当支給決定通知書が届きます。何かしらの理由で支給が不可となった場合は「不支給通知」が届きます。

繁忙期では通知書が届くまで、1ヶ月以上かかる場合もあります。

申請後、支給日は「就業促進手当支給決定通知書」という封書が届いてからおよそ1週間以内。失業手当で指定している口座に振込みとなります。

注意点

再就職手当の申請期限は、再就職した日の翌日から1カ月以内です。しかし、期間を過ぎてしまっても、再就職した日の翌日から2年を経過する日までであれば申請が可能です。

就業促進定着手当とは

就業促進定着手当とは、再就職手当の受給者が引き続き再就職先に6か月以上雇用され、かつ以前の職場での1日分の賃金より低い場合に支給される手当です。

再就職先の賃金が前職の賃金よりも低下した場合に、低下した賃金を補てんしてくれるうれしい手当です。

就業促進定着手当の支給額は?

就業促進定着手当の支給額は、下記で計算されます。

□就業促進定着手当の計算方法
就業促進定着手当
(離職前の賃金日額 - 再就職後6ヶ月間の賃金日額) × 再就職後6ヶ月間の賃金の支払基礎日数

離職前の賃金日額
雇用保険受給資格者証の1面14欄に記載されています。
ただし、就業促進定着手当の計算に使える離職時賃金日額には上限と下限があるため、併せて確認しましょう。上限を超える場合は上限額が、下限を下回る場合は下限額がそのまま賃金日額となります。

【上限額】

30歳未満 13,630円
30歳以上45歳未満 15,140円
45歳以上60歳未満 16,670円
69歳以上65歳未満 15,890円

【下限額】
全年齢共通で2,500円です。

※2020年5月現在。毎年8月1日に改訂されます。

再就職後6ヶ月間の賃金日額
(月給の場合)
再就職後6ヶ月間の賃金の合計額 ÷ 180

(日給・時給の場合)
以下の計算式で求められる金額の高い方となります。
・再就職後6ヶ月の賃金の合計額 ÷ 180
・(再就職後6ヶ月間の賃金の合計額 ÷ 賃金支払いの基礎となった日数)×70%

再就職後6ヶ月間の賃金日額にも、離職前の賃金日額同様の上限額と下限額があるため、先ほどの表の上限額と下限額の間に収まっているか確認しましょう。

上限を超える場合は上限額が、下限を下回る場合は下限額がそのまま賃金日額となります。

※計算で利用する賃金は税金や社会保険料が控除される前の総支給額となります。賞与などは含まれません。

(賃金計算に含む)
通勤手当、皆勤手当、家族手当など

(賃金計算に含まない)
3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賞与など

◆再就職後6ヶ月間の賃金の支払基礎日数
(月給の場合)
欠勤した分が給与から控除されない月給制の場合は、その月の暦日数(28日、29日、30日、31日)が支払基礎日数となります。

(日給月給制の場合)
欠勤した分が給与から控除される日給月給制の場合は、給与が支払われた日数(所定労働日数)が支払基礎日数となります。

(日給・時給の場合)
日給・時給制の場合、出勤した日数が支払い基礎日数となります。

次に上限額を計算します。

就業促進定着手当の上限額は、雇用保険の基本手当日額に支給残日数を掛け、さらに30%または40%を掛けた金額になります。

□就業促進定着手当の上限額計算式
就業促進定着手当の上限額
基本手当日額 × 支給残日数 × 30% or 40%

◆基本手当日額
雇用保険受給資格者証の1面19欄に記載されています。
※なお、就業促進定着手当の計算に使える基本手当日額にも、下記のとおり上限額があります。

【上限額】
離職時の年齢が

60歳未満 6,165円
60歳以上 4,990円

※2020年5月現在。毎年8月1日に改訂されます。

◆支給残日数
支給残日数とは、失業保険(基本手当)がもらえる残りの日数です。
自分の支給残日数は、雇用保険受給資格者証の3面に記載されています。

◆30% or 40%
この比率は、再就職手当の支給率が何割だったかによって決まります。
・再就職手当の支給率が70%だった場合・・・30%
・再就職手当の支給率が60%だった場合・・・40%

就業促進定着手当を計算して、上限額より低い場合は満額受け取れますが、上限額より高い場合は、その上限額がそのまま支給額となります。

就業促進定着手当の支給条件は?

次の要件をすべて満たしている場合に手当が支給されます。

□就業促進定着手当の支給条件
・再就職手当の支給を受けていること。

・再就職の日から、同じ事業主に6ヶ月以上、雇用保険の被保険者として雇用されていること(起業により再就職手当を受給した場合、就業促進定着手当の受給対象にはなりません)。

・所定の算出方法による再就職後6ヶ月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額を下回ること。

再就職手当の支給手続きとは?

Step1 支給申請書の到着

再就職後から5ヶ月後を目安に、ハローワークから就業促進定着手当支給申請書が郵送で送られてきます。
再就職から6ヶ月経過後に就業促進定着手当の支給申請を行いますので、無くさないよう保管しておきます。

Step2 各種書類の準備

ハローワークから郵送されてきた就業促進定着手当支給申請書以外に、下記の書類が必要になるので用意します。

・雇用保険受給資格者証

・ 就職日から6か月間の出勤簿の写し
※原本証明を受けたものを、現就業先に用意してもらいます。

・ 就職日から6か月間の給与明細又は賃金台帳の写し
※原本証明を受けたものを、現就業先に用意してもらいます。

Step3 各種書類の提出

再就職した日から6か月経過した日の翌日から2か月間に、再就職手当の支給申請を行ったハローワークに提出してください。(郵送も可)
※期限を過ぎると申請を受け付けてもらえないので注意。

就業手当とは

就業手当とは、基本手当(いわゆる失業手当)の受給資格がある方がパートやアルバイトで就業した場合に支給される手当です。

就業手当の支給額は?

就業手当の支給額は、下記で計算されます。

□就業手当の計算方法
◆就業手当
基本手当日額 × 30% × 就業日

※基本手当日額には上限があります。
【上限額】

離職時の年齢が60歳未満の方 1,849円
離職時の年齢が60歳以上65歳未満の方 1,497円

※2020年5月現在。毎年8月1日に改訂。

就業手当の支給条件は?

次の要件をすべて満たしている場合に手当が支給されます。

□就業手当の支給条件
①就業する前日において、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上であること(ただし、所定給付日数が90日、120日の場合は45日以上であること)。

②1年を超えて引き続き雇用される見込みがないなど、安定した職業に該当しない就業をしたこと。

③待機が経過した後に就業したものであること。

④離職前に働いていた事業主(関連事業主を含む)に、再び雇用されたものではないこと。

給付制限を受けた場合は、待機満了後1ヶ月間については、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介により就業したものであること。

⑥受給資格決定日前に採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと。

就業手当の支給手続きとは?

Step1 就業

まずはパートやアルバイトで働きます。

Step2 各種書類の提出

失業の認定日(4週間に1回)に、就業手当支給申請書に雇用保険受給資格者証と就職した事実を証明する資料(給与明細書等)を添付してハローワークに提出します。

Step3 就業手当支給

ハローワークに書類を提出した、その翌日から7日以内に就業手当が指定した金融講座に支給されます。

常用就職支度手当とは

常用就職支度手当とは、受給資格者(注1)で、就職した日に45歳以上の方(注2)、及び身体障害者、その他就職が困難な方が、公共職業安定所の紹介により1年以上雇用が見込まれる職業に就いたときに支給される手当です。

(注1)受給資格者、特定受給資格者、日雇受給資格者
(注2)雇用対策法等に基づく再就職援助計画等の対象となっている者に限る

常用就職支度手当の支給額は?

常用就職支度手当の支給額は、下記で計算されます。

□常用就職支度手当の計算方法
◆常用就職支度手当
(支給残日数が90日以上の場合)
基本手当日額 × 90日 × 40%

(支給残日数が45日以上90日未満の場合)
基本手当日額 × 支給残日数 × 40%

(支給残日数が45日未満の場合)
基本手当日額 × 45日 × 40%

※上限額
離職時の年齢が60歳未満 6,165円
離職時の年齢が60歳以上 4,990円
2020年5月現在。毎年8月1日に改訂されます。

常用就職支度手当の支給条件は?

次の要件をすべて満たしている場合に手当が支給されます。

□常用就職支度手当の支給条件
①就職困難者であること。

②基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1未満であること。

③1年を超えて勤務することが確実であること。又、原則として再就職先でも雇用保険の被保険者になっていること。

④基本手当の受給手続き後の「7日間の待機期間」が過ぎてから就職していること。又、自己都合で退職し3ヶ月間の給付制限を受けている者については、制限期間を過ぎてから就職していること。

⑤再就職先が、失業直前に勤めていた会社、又はその会社と密接な関わりのある会社ではないこと。

⑥過去3年間に「常用就職支度手当」又は「再就職手当」、「早期再就職支援金」を受けていないこと。

⑦常用就職支度手当の支給決定の日までに離職していないこと。

常用就職支度手当の支給手続きとは?

Step1 就業

まずは1年以上雇用されることが確実な職業に就職します。

Step2 各種書類の提出

再就職日の翌日から1ヶ月以内に、常用就職支度手当支給申請書に雇用保険受給資格者証を添付して、管轄ハローワークに提出します。
日雇受給資格者の場合は、被保険者手帳を添えて、安定した職業に係る所轄公共職業安定所長に提出してください。

Step3 常用就職支度手当の支給

ハローワークに書類を提出後に、受給要件を満たしているか審査が行われます。

後日、支給の可否を記した決定通知が郵送で届きます。無事支給されることが決まれば、指定した銀行口座に一括して入金されます。

まとめ

就職促進給付(就職促進手当)についてまとめました。

就職促進給付(就職促進手当)は、
再就職手当、就業促進定着手当、就業手当、常用就職支度手当の4つの手当をまとめたものでした。

制度を知り、損のない使い方をしていきましょう。


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